【メタバースとは?】初めての方向けの説明と「ぶっちゃけ事業に使えるのか?」を辛口で深堀り!
近年、ChatGPTをはじめとしたAI技術の一般化に伴ったサービスの急増や、仮想通貨やNFTなどいわゆる「Web3.0」といわれる分野の登場など。IT業界から生み出される様々なソリューションが各業界に多大なインパクトを与えていることかと思います。
その中の1つとして「メタバース」という言葉も頻繁に耳にするようになりましたね。
しかし、どうでしょう。実際にメタバース空間に入ったことがある。または事業運営に有意義に活動できているという方や企業はまだまだ少ないのではないでしょうか?
本記事では、メタバースの価値とは一体何なのか。その特徴やユースケースを解説し、今後具体的にどのように企業が活用に取り入れていける可能性があるのかを個人的な見解モリモリで探っていきたいと思います。
メタバースって何?どういう意味?
画像:アゼルサプリを運営する株式会社AZELのメタバース空間 >>>空間に入ってみる(Spatial)
言ってしまえばゲームの世界みたいな仮想(バーチャル)空間です。
実はメタバースという単語はまだ確実な意味が存在しておらず、持っている機能や空間の状況に応じて定義が曖昧な単語なので、聞く人話す人によって異なる意味を持つことが多いです。
というわけで一度、天下のChatGPT様に意見を伺った上で私自身の見解を述べたいと思います。
メタバースとは、”meta”(超越的な、さらに上位の)と”verse”(世界、空間)という言葉を組み合わせた造語です。要するに、メタバースは現実の世界を超えたデジタル空間のことを指します。これは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)技術を活用し、ユーザーがデジタル空間で情報を共有し、交流する場所を指します。
単語の成り立ちと意味については私も概ねこんな意味合いだと思います。
しかし、メタバースとは何なのか?という意味を捉えるという視点で、個人的に抑えていただきたいポイントは以下になります。(専門用語っぽいのが出てきますが、「+」ボタンを押していただけると簡単な解説が出ます)
- 同期性がある
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- 動作の時間が常に一致している
- 空間内の情報が常に一致している
ことを指しています。
オンライン通話(zoomやGoogle Meetsなど)も、同期性がある状態での通信だと言えます。
- 空間内が3Dとも限らない
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メタバースと聞くと、どうしても3D(立体的)の空間をイメージしますよね。しかしドラクエみたいな見た目の2D(平面)の空間も存在しています。
3D空間の場合だと視点やアバターの操作方法が難しいという意見を聞くことも多く、2Dの方が操作が簡単など。優れている部分もあるので、用途に応じて検討する部分ですね。
- VRゴーグルやヘッドセットが必須ではない。(スマホやPCブラウザも可)
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よくメタバース空間と聞くと、入るのにVRゴーグルなどの特別なデバイスが必要とイメージされている方も多いかと思いますが、実は必須ではない空間も多く存在します。
肌感ではありますが、VRゴーグルやヘッドセットの活用はゲーム業界で主に発展しており、一般的な企業のバーチャルオフィスとして用いられる空間はPCブラウザでログインが可能なものがほとんどです。
VRゴーグルは手段であり、メタバースはそれを利用して作られる空間なのです。
- オンチェーン・オフチェーンなどの機能を問わず総称されることが多い
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ブロックチェーン技術を基としたメタバース空間は、特定のチェーン上に情報が保存・同期されるという機能を有している場合があります。
こういった空間はチェーン上に成り立っている空間という意味でオンチェーンのメタバースと称されることがあり、逆に特定のチェーンに依存せずにある意味でクローズドな空間のことをオフチェーンのメタバースと称する場合があります。
こちらは主にWeb3.0系の業界で問われる専門的な部分なので、興味がある方は調べてみたり、単語の注釈から意味を確認してみてください。
メタバースという単語を理解する上で、簡単に特徴の方を述べさせていただきました。
先ほど敢えてオンチェーンなどの説明を組み込ませていただいたのですが、メタバース空間はWeb3.0系の界隈で扱われやすい単語やツールではあるものの、Web3.0要素はかなり薄いモノだと認識しています。
メタバースの価値はWeb3.0テクノロジーに依存しなければ発揮でない訳では無いと思っており、ひとえに業界・界隈の専門用語として扱うのは難しいと判断したからです。
メタバースの特徴
メタバースの意味についてはなんとなく理解できたところで、筆者が考えるメタバース空間というツールの魅力を紹介したいと思います。
Webコンテンツを「見るもの」から「体験するもの」に変えられる。
今までのWebサービスを振り返ってみたら記事を読む、画像や動画を見る。などの体験がほとんどで、実は機能面での体験価値というのはかなり限定的だったのではないか?とメタバースに触れ出してから感じています。
「オンライン」という制約条件の元、他のWeb上のプラットフォームと比較すると、アバターというフィジカルを用いたコミュニケーションや、空間内に実装されるスタンプラリーなどのアクティビティ。ゲームのような世界観の表現など。エンタメ性に寄った新体験を実現できる環境を作ることが可能です。
提供者の想像を超える「偶発性の高い」ユーザー体験の提供
最近のWebサービスやアプリは、様々な体験が最適化され過ぎているところが逆に課題なんじゃないかなと個人的には感じています。
Amazonなんか僕よりも僕が欲しいものを理解しているような気がしますね。
そんな中、メタバース空間は複数ユーザーが同時に入り込める同期性と、空間の自由度の高さを併せ持っているので、提供者が提供しようと思っていた以上の価値をユーザーに提供できる場合があります。
これまではWebで特定のキーワードを入力して最適化された検索結果から選んだり、プラットフォームのアルゴリズムの果てに用意されたコンテンツを見るといった体験から、
「街中を歩いていたらたまたま隠れ家的なお店を見つけることができて嬉しかった」
のような体験が、技術の発展とともにWeb上では貴重となっており、自らの行動の結果得ることのできた情報、体験できたコンテンツの価値というものが上がっているように感じています。
定性的ではありますが、僕はメタバース空間にはそのようなチカラがあるような気がしています。
メタバース空間を事業運営のツールとしてどう捉える?
筆者の元にも「メタバース空間を自社で作りたい!」という相談は日々舞い込んで来ますが、重要なのは何の目的で空間を作るのか?という部分だと考えています。
相談経緯としてよくあるパターンが「既存事業で成長を見込みにくくなったので、Web3.0やメタバース領域に投資をして、業界内で先行者利益を獲得したい」というケースです。
(もちろん視点としては間違えてないが…。)
要はメタバース空間を作ること自体は、あくまでも目的を達成するための手段に過ぎず、メタバース空間を作ったからといって何か新しい事業がいきなり生まれてくるわけではない。ということです。
というわけで、メタバースを事業に取り入れる際にいま一度「ここだけは確認してほしい!」というポイントを紹介しています!
あくまでも戦術ツール。
簡単に言えば、メタバースを作ることではなく、メタバース空間を使うことでいかに利便性や効果の向上が見込めるか?ということを考えるべきということです。
例えばWebサイトやSNSのように「商品を販売する」などの明確な目的を達成する手段としてメタバースを捉えなければ、お金を掛けて作っただけで誰にも使われずに終わってしまう場合が多いです。
実際、メタバース空間は上記のように事業戦略上では「Webサイト」や「SNS」に近い粒度の立て付けとなるケースがほとんどだと思っているので、事業の価値をさらに高める手段としてどう使えそうか?という考え方でアイデアを出してみましょう。
運用計画が命
再三記してしまっていますが、メタバース空間をとりあえず作ることが目的化してしまっているケースが本当に多いです。
Webサイトも同じですが、作ってからどのようにしてユーザーを呼び込むかのか。どうやって管理していくのかがかなり重要になってきます。
特に現状は一般ユーザーがメタバース空間に入るという体験に馴染んでいない市場フェーズなので、既にメタバースを利用する母集団やコミュニティが存在しているか、有効なメディアチャネルが存在するなどの場合でないと、メタバース空間にユーザーを呼び込むのはかなり難しいと思います。
会社のバーチャルオフィスとしての活用や、オンラインイベントなどで、特定のタイミングだけユーザー入ってもらう使い方だと、どんな企業もチャレンジしやすいなと思っています。
肝となるのは「体験価値」と「ゲーミフィケーション」
よく「現実世界で行われていることが全てメタバース空間に移行する」という話は本当か?という質問もいただくのですが、僕はそんなことはないと思っておりまして、
例えばオンラインでの通話に関していえば、わざわざメタバース空間に入るよりもzoomなどの方が断然便利だなって思ってます。もっと言えば、直接オフィスで人と話せる方が話も弾みますし、身振り手振りを用いて断然コミュニケーションは取りやすいです。
企業もユーザーも、
- 既存のWebでは体験できなかった体験価値を感じられる。
- 何かしらの制約を突破できる。
- メタバース空間に入らないとできない限定的な体験がある。
などの「空間に入る必要性」=「他のツールではできないが、メタバース空間だからできる」がポイントです。
「じゃあメタバースじゃなくてもええやん」
となってしまう場合が多いですが、一度「メタバースを使うことで今のサービスがどう便利に・どう面白くなるか」という視点で考えてみましょう。
メタバースのユースケース
現在、メタバース空間の使い方として以下のようなユースケースが目立っています。
- バーチャルオフィス/リモートワーク環境
メタバースを利用して、リモートワークを行うチームや企業がバーチャルオフィスを構築することがあります。このような空間では、従業員や協力会社のメンバーがアバターを通じてコミュニケーションし、会議を行ったりツールを共有したりすることができます。 - 教育/トレーニング
メタバースは教育やトレーニングの分野でも活用されています。仮想教室やトレーニング場所を作成し、学生や参加者がアバターを通じて参加し、実践的な経験や対話を通じて学ぶことができます。また、リアルな環境や場面を再現することにより、より実践的な学びを提供することも可能です。 - イベント/コンサート
メタバースはイベントやコンサートのオンライン開催にも利用されます。参加者はアバターを通じて仮想空間に入り、他の参加者と対話したり、アーティストのパフォーマンスを楽しんだりすることができます。リアルイベントとは異なる体験や交流を提供することで、新たなエンターテイメント形式を提供しています。 - 販売プラットフォーム
メタバースは商品やサービスの販売プラットフォームとしても利用されています。アバターショップやバーチャルマーケットプレイスを通じて、デジタルアイテムや仮想アセットの販売が行われます。また、アバターが商品やブランドを体験することで購買意欲を高めるマーケティング戦略も展開されています。 - ソーシャルネットワーキング
メタバースでは、人々が仮想空間を通じてコミュニケーションを取り、交流を深めることができます。友人や他の参加者と一緒にアクティビティを楽しんだり、共同作業を行ったりすることができます。リアルの制約を超え、より自由な形で交流することができるため、新たなコミュニティやつながりが形成されます。
これらはあくまでも一部の例ですが、メタバースの利用はさまざまな業界や用途での活用が拡大しています。
やるなら上流設計から!メタバース設計の相談からしてみましょう
今回紹介した通り、メタバース空間の作成はスキルさえあれば良いというものではなく、綿密な事業計画の中でどう機能させるのか、どのように運用するのかなど。考えなければいけないことが多岐に渡ります。
アイデアベースからでも相談は受け付けているので、もし導入を検討されている場合は一度アゼルサプリを運営している株式会社AZELまでお問い合わせください。